Case
「演じる身体」をスポーツ医科学で支える〜劇団青年座における俳優のコンディショニングと10年を先取りしたキャリア構想〜
1. プロジェクトの背景:エンターテインメントとスポーツ科学の交差点
今でこそ「パーソナルトレーニング」や「コンディショニング」という言葉は世の中に広く浸透し、経営者や芸能人など、あらゆる職業の人々が自身の身体への投資を当たり前に行う時代となりました。しかし、まだその概念が十分に定着していなかった2012年、ウィンゲートはエンターテインメントの世界から一つの重要な相談を受けます。
お声がけいただいたのは、1954年の創立以来、数々の創作劇を上演し、日本の現代演劇・エンターテイメントの発展に大きく貢献し続けている名門「劇団青年座」の石井美保子社長(当時)でした。 意見交換のテーマは「劇団員の疲労回復や体のケア、そして障害予防」。常に身心を極限まで酷使する俳優にとって、プロフェッショナルとして演じる前に心身を充実させ、演じた後に疲労を残さない「コンディショニング」がいかに重要であるか。その先見的な視点から、スポーツ医・科学の専門家であるウィンゲートへと白羽の矢が立ったのです。
2. 現場での実践:日本代表を支える技術で、名優の身体の悩みを解決
そんな中、石井社長から具体的なミッションが下されます。「青年座の中でも古株で、極めて認知度の高い大物俳優が、足首や腰の痛みに悩んでいる。ぜひ専門家として話を聞き、サポートしてあげてほしい」。石井社長からの「対象者が女性であるため、女性トレーナーに対応してほしい」という細やかなご配慮を受け、ウィンゲートは当時カーリング日本代表チームのコンディショニングを担当し、社内で研修業務も担っていた高橋小夜利氏をメインに据え、当時若手トレーナーの中では様々な現場に参加していた木村友亮トレーナーをアシスタントとしてアサインしました。

トップアスリートを支える第一線の技術を持つ高橋トレーナーは、身体の機能チェックから始まり、普段の生活や稽古の中で取り組むべき運動指導をわかりやすく解説・実践。後日、その俳優の方からは「身体の痛みがすっかりなくなり、毎日元気に稽古に精を出している」という大変嬉しいご報告をいただきました。「演じる身体」をスポーツ医・科学の力で見事に回復させた成功体験でした。
3. 時代を10年先取りした「俳優×トレーナー」のキャリア構想
さらに、石井社長との対話の中で生まれたもう一つの画期的なアイデアがあります。 それは、俳優の卵たちの「デュアルキャリア」の構想でした。「まだアルバイトで生計を立てている若手俳優が多い。彼らが自身の身体のコンディショニング方法を学びつつ、その知識を活かして『運動指導(パーソナルトレーナー)』をアルバイトとして行えるようにならないだろうか」というものです。
実はこれと全く同じコンセプトを、かつてウィンゲートの取引先であった株式会社東急スポーツオアシスが後の2020年に実現しています。「俳優集団」によるパーソナルトレーニングサービス『美vid』として新業態を展開し、会員の「カッコイイカラダをつくりたい」「通うのが楽しい」というニーズに応える画期的なプログラムとして大きな話題を呼びました。
しかし、石井社長はこのビジネスモデルを、世の中が注目するよりも約10年も前の2012年の時点で既に閃き、構想していたのです。エンターテインメント界を牽引するトップの圧倒的な先見の明と、俳優たちの未来を想う深い愛情には、今振り返っても驚嘆するほかありません。
4. 「身体を資本とする」すべてのプロフェッショナルへ
普段、スポーツトレーナーが芸能界と直接交わる機会は決して多くはありません。しかし、俳優、ダンサー、ミュージシャンなど、舞台の上で最高のパフォーマンスを発揮しなければならないエンターテインメントのプロフェッショナルにとって、身体は最大の「資本」であり、スポーツアスリートと何ら変わりはありません。ウィンゲートが提供するスポーツ医・科学の知見とトレーニング指導は、アスリートだけでなく、あらゆる業態・職業の人々と極めて高い親和性を持っています。
「所属アーティストやタレントのコンディショニングを体系化し、パフォーマンスを最大化したい」「自社の社員やスタッフが心身ともに最高の状態で働ける健康サポートを導入したい」。そんな課題をお持ちの企業や団体の皆様は、ぜひウィンゲートにご相談ください。私たちが持つ確かな専門知見で、あらゆる分野のプロフェッショナルを「身体」から力強くバックアップいたします!